初めて読んだのは、「お家さん」という小説です。
私の中では、関西のニュースのコメンテーターというイメージが強かった玉岡かおるさんですが、兵庫県教育委員として教育行政に参画されることになった年に、PTAの何か(そこは忘れた)で講演を聴く機会があり、そこでお話しになった内容に引き込まれて「お家さん」を手に取り、それがとても面白くて、以来とても好きな作家さんなのです。
私が引き込まれたのはここ。
「たとえ家の中に閉じこもっていたとしても、小説を書いていると、世界中どこへでも行けるし、何者にでもなれるんです。」
もちろんこれには前後があって、たしか、嫁であり母であって、決して自由ではなかったというようなお話の中の一部として語られた一節だったように記憶しているのですけど、だから書くことは本当に楽しいのだとおっしゃって。
心から楽しんで書かれたものが、面白くないはずはないのだなと、そのとき思いました。
案件ごとに、いろいろと調べものをします。
お客様のイメージをしっかりと掴みたいので、見たり調べたりには結構時間がかかって、これが作業時間を圧迫したりするのですけど、きらびやかで妖艶なキャバレーだったりとか、土埃の舞う吹きっさらしのコンクリート空間だったとか、ろんな世界に浸りながら(頭の中でね)、ふと玉岡さんの言葉を思い出しました。
どこにでも行けるし、何者にでもなれる。
この仕事もそうなのかもしれないなと、ちょっと思ったりしています。
ちなみに頭の中じゃなくて、本当に行ってみたいのはモロッコ。
行こう。
必ず。
◆『リフォーム&リノベ―ション インテリアコーディネーター名鑑 2017』へ掲載していただきました。
◆『リージェンシーにモダンと毒を』 世界にひとつの自分らしい家づくりを応援するWEBマガジン・イエマガ「海外ドラマの間取りとインテリア」へ執筆させていただきました。
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