インテリアフェスティバル2017へ行ってまいりました。
今年のメインセミナーは、(株)菜インテリアスタイリング・尾田恵さんによる「人を健康に導くインテリア」。
片頭痛は生活環境と関係しているらしい、あるドクターとの出会いからそれをお知りになった尾田さんが、感覚的にかっこいいインテリアから、人を健康にするインテリアへとシフトしていかれたお話を伺いました。
人には「光・音・香り」3つの過敏症があり、特に明るすぎる生活環境の中で光過敏症による片頭痛を抱えている人はかなり多いらしいです。そもそも日本人はどこもかしこも照らすのが大好き、部屋の隅々まで明るくないと気が済まないのだと、業界へ20年いる中で教えられてきましたし、実感もしてきました。
でもやっぱり、不自然な明るさに人の体が拒否反応を起こし始めたということなのかもしれませんね。照度と色温度を抑えることによって、片頭痛が軽くなったという患者さんのデータを集め、やはりこれは!ということでActive careが始まったのだそうです。
私も片30代の頃、紫外線が目に入ると起こる片頭痛を抱えていました。面白いのは(いや面白くはない)、夕日より朝日を直接見た時の方が頭痛の起こる割合が高かったこと。お話を聴いて納得する部分は多かったです。
Active careというのは、何か決まったスタイルというものがあるのではなく、照度と色温度を抑え、光源が直接見えない面発光の照明であったり、白くまぶしい内装材を控え、目や体に優しい自然界の色柄を用いたりといったもので、施工例も見せていただきました。
確かに、モデルによくあるキラキラの明るさがかなり抑えられ、副交感神経が自然と優位になる環境を整えているという感じ。デザインとしては、以前に手掛けられていた実例の方が数段かっこよかった印象ですが
何か贅沢なものを使ったり、予算がかさんだりということになると、なかなか世に出ていかないので、スタイルとしてのかっこよさは目指さなかったとお話しになったくだり、潔さを感じました。
「とても気に入っている」「くつろげるようになった」「気分が明るくなる」「毎日が楽しい」インテリアの評価は、こういった感覚論でしか語られない。これをもっと、数値化、データ化、見える化することによって、誰にでも理解できるものさしができる。そのためには、インテリアではない別の”軸”がある方が、結果的にインテリアの価値そのものが変わっていく可能性があるのではないか、と。
勉強になりました。
こういう角度からインテリアを考えている方がいらっしゃるのだなと、新鮮な刺激でした。
そしてとてもパワフルでかっこいい方だったので、セミナー後、尾田さんと少しお話をさせていただいて嬉しかったです。
ちなみに片頭痛はヨガを始めてから軽くなり、今はほとんど起こりません。
ヨガがよかったのか、年いっただけなのか、よく分かりませんけれど・・・。