一社)JAFICA 日本フリーランスインテリアコーディネーター協会が今年度開催する、『第2回 JAFICA未来に続く インテリアコンテスト2024』の概要説明と応募案内のため、母校・武庫川女子大学を訪ねた。
JAFICA(の拠点)は東京にあり、さらに今回で2回目ということもあって、このコンテストの認知度は地方にいくほどまだ低い。理事とコンテスト実行委員を務めていることもあり、協会あげての催しごとの普及活動は、仕事の一環なのだ。
さて、母校とはいえ、在籍していたのは30年以上も昔の話。師事をした先生方もとうに退任された今、パンフレットを抱えて単身いきなり訪ねていっては、飛び込み営業も同然だ。どうしたものか・・・と考えていたら、伝手を持つ友人が、学院内部の方と繋いでくれることになった。持つべきものは友!だ。するするとアポイントを取り付けてもらい、早速、一緒にキャンパスへ向かう。
実は、一昨年までこちらの大学で、夏休み期間に開催される『インテリアコーディネーター一次試験対策講座』(武庫女の学生さん対象)の講師を務めていたので、卒業以来の訪問というわけではないのだけれど、それでも懐かしいことに変わりはない。新旧入り交ざった現在のキャンパスの光景に、不思議な感覚を覚える。
肝心のコンテストの件は、事前に話を通しておいてくれた友人のおかげで、パンフレット配布や作品応募について快く承諾をいただくことができた。やっぱり持つべきものは友!なのだ。
ということで話は早々に終わったのだけれど、そのあと、なんと大学館内を見学させていただけることになった。卒業してから建てられた経済学部の学舎は、入ったこともなければ見たこともない。そもそも経済学部自体がなかったから、あたりまえか。
何にしても、わくわくする。ご案内いただけるなんてこの上もない機会だ。
小躍りしながら向かった館内を、せっかくなので少しご紹介したい。
まずは1階のカフェへ。トムディクソンのペンダントをはじめ、館内の照明や家具には名品が多用されている。恐ろしく恵まれた環境だ。
汗ばむほどの暑い日だったので、フルーツの入ったアイスティーをオーダー。こじゃれたネーミングは忘れてしまったけれど美味しかった。手前に写っているのは、私たちが飲み終えたあとのカップ。
どの窓にも緑が映え、アートが一枚ずつ並んでいるよう。このときはまだ桜が少し残っていた。
たっぷりとした余白を感じる空間が清々しい。
真下へ向けて書かれたサインが、スパイス的なアクセントになっている。うーん、おしゃれ。
この館内のポイントは吹抜けだそう。移動するたび、各階の様子が断面図のように見えておもしろい。
研究室と学生さんのスペースを分けていないのが特徴とのことで、学生さんは館内どこでも自由に立ち入れる。
この解放感、写真で伝わるだろうか。ここで4年過ごしたら人間の器も大きくなりそう(?)。
陽光が惜しみなく差し込んでいるのが気持ちいい。
ルームナンバーのデザインもおしゃれ。最新のオフィスみたい。
照明はAIによって制御されている。人を感知して点灯する様子は、感覚的には従来の人感センサーとほぼ同じ。
違いは光熱費で、コスト削減効果が非常に高いのだそうだ。
屋上庭園は学生さんのアイディアによるものなのだそう。採用に際しては賞金も贈られたのだとか。学内コンテストですね。
ぜひJAFICAインテリアコンテストにも作品応募してほしい。
メンテナンスを考えてフェイクを混ぜたり、リアルでもちょっと元気がなかったり、というケースが多いと感じる、施設のインドアグリーン。ここのは勢いがあり、ゴイゴイ育って増えていた。迫力すごい。
生命力に圧倒されて2枚撮影。こんなにしっかりと育つならぜひやってみたい。
上から順にご案内いただいて、2階まで下りてきたところで1階を臨む。隅々まで気持のよい館内に心が満たされた。
どんな場所や空間で過ごすのか、一日だけをピックアップすれば、そこに深い意味はないのかもしれない。でも人生は日々の積み重ねだ。食べたものが体を作るように、過ごした場所のエネルギーは、感性や価値観を作っていく。
空間の質が問われるのは、なにも暮らす家だけではないのだ。学校、オフィス、あらゆる施設が、進化をはじめている。
この日はその進化の一部を体感できた気がした。