絶対無理
WEB版見本帳なるものが出はじめたとき、画面で色や質感を確認するのが難しく、ページをめくるのももどかしく、数冊いっぺんに開けばフリーズしたりして、この仕事にリアル見本帳は絶対だ、WEB版なんか無理だ、と頑なに思ったものだった。
毎年マメに見本帳を入れ替え、整理をし、常に最新版が揃っている状態を維持するために、結構な労力を使っていた。
時代変われば
現在は見本帳を含む資料閲覧のほとんどをWEBで済ませている。
手元に置いておく必要があれば、また現物を確認したければ、資料やサンプルを送ってもらえばよいのだし、労力をかけなくても常に最新版が揃っているし、特に不便さも感じず不足感なく仕事ができている。
絶対無理やら言っていた人がいたっけな、とかつての自分を他人のように思っているのだから、我ながらふてぶてしいものだ。
身軽になる
重い腰を上げてたくさんの見本帳を整理しながら、新しいものと差し替えるのはもうやめよう、と思った。
場所の確保と管理の手間から開放されるという物理的なメリットもあるが、それ以上に、「絶対」や「無理」といった偏りある思考癖を手放したくなったのだ。
かつての「絶対」は、今の「絶対」ではない。それなら水物と同じじゃないか。形や速さを変えて流れていくものへ執着するのはそもそも無意味だ。そんな考えがつらつらと浮かんだ。
資源を率先して浪費する活動も、できるところから終わらせたい。
それに何より、身が軽い。
軸を整える
3回目の緊急事態宣言が発令されて以来、片付けに精を出している。処分しながら新たに購入もしているので、物の総量自体はほぼ変わっていないのだが、身の回りが循環している心地よさを感じる。
心地よさ、気分のよさは、家籠り期間のキーなのだ。
日常が整っていれば軸が整う。
つい投げやりになりがちなとき、そう自分に言い聞かせている。
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