じっとしていても次から次へと情報が流れてくる時代に生きていると、目の前に流れてくる大量の情報がすべて、と、つい錯覚してしまいがち。よく考えれば怖いことで、知らぬ間に自分の視野を狭め、自らを枠に閉じ込めることになりかねない。仕事についてもまったく同じで、受動的に得られる情報に浸っていると、分かっているつもりになってしまってもおかしくない。危機意識を持てるかどうかがキモだと痛感する。
特にインテリアの世界は、アンテナを張り巡らせて情報を取りに行かなければ、知ることも見ることもできない商材やアイデアが数多く存在する。一般的に流通する量産型の商品とは一線を画す、独自の魅力を放ってやまない世界は、たいてい自らが作った枠の外にある。量産品では表現し得ない、唯一無二の個性を持つインテリアが人に与える価値に触れ、体感しようと、私たちは自ら足を運ぶ。
うだるように暑いある日、海外の高級インテリア商材を見学するために、東京・青山にあるAnonimo Designのショールームを訪ねた。
まず目に飛び込んでくるのが「レザーウォール」と呼ばれる、タイル状のリアルレザー。素材の質感や独特の個性が映える。写真ではその美しさや質感を伝えることができないのが残念だ。
その場にいた全員が一斉にカメラを向けるほどのインパクトが、実物にはある。
ゴールドの型押しレザー、これは完全に個人的な好みで撮影。
レザーは、柄・カラーとも、バリエーション豊富だ。
冒頭の画像もレザーウォール。こちらはレザーフロア。塩ビタイルとは見た目、質感、歩き心地などがまったく異なる。
モアレ柄のドレープ生地。型押しではなく、織りによってできた自然な柄で、目がチカチカしないのが特徴だ。
「大西さん好きそう(笑)」とみんなの視線を浴びた、トラ柄。リピート(同じ柄同士の距離)が大きく、大きな窓に映えそうだ。
ちなみに、個人的な好みはリアル動物柄。デフォルメされた動物にはあまり食指が動かない。
偶然、お客様のお好みに合いそうな生地を見つけて、メモ代りに写真を撮らせてもらった。
大理石の壁装材(牛骨じゃないよ)。これは本当にカッコよくて、この日いちばんの萌え材だった。推しです、お勧めです。
HOULESの装飾レール。現物サンプルを発見して、無理やりな角度で撮影。ジオインテリアワークスのお客様は、このテイストを好まれる方が比較的多い。
右手に見えるのはストリングスカーテン。”カーテン”の名称にとらわれると、やはり枠を越えられないのだ。施工例を見せていただき、その使い方は、アイディア次第で無限にあることがよく理解できた。
枠を壊そう。枠を越えていこう。
その前に、枠を作っている自分に気づこう。作る前に阻止しよう。
そう自分に言い聞かせよう。